摩耗
グミチョコレートパイン
グミチョコレートパイン
どんどんと前に進む周りを眺めながら
僕は最初のグーすら出せないでいる。
焦りはあった
焦ってたほうがまだ良かった
焦りはいつしか諦めに変わり、自分の値付けを自分の中で終わらせていた。
社会の歯車にどうしてもなれない、あの頃は自分が歯車の中心だと思っていた。
周りが自分に合わせ、噛み合い循環していくものだと
気づけば回らないガラクタ
少しのズレが個性だと思っていた
少しずつ、少しずつ、削れていく側面はいつしか摩耗しきり
誰とも噛み合わなくなっていた
一人、廻り続けるも廻り方がわからない。
次第に廻ることもなくなっていった
周り廻る、間を割り、明るい夜と暗い朝の間で廻っているフリをする
順回転、逆回転を交互に繰り返し、カーテンの隙間から光が差し込む頃にはスタート地点へ。
周回遅れはもう取り戻せそうにもない。
夜のラブパンクを抱きしめ、ミラーボールの下で流した涙と汗
狭くて暗いのにずっと僕を照らし続けてくれたあの頃が今は視界を眩かせる。
これはおそらくミラーボールの回転でも、周りの廻転でもない。
きっと自分自身のブレのせいだと